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日本映画・邦画

2004年03月17日

赤目四十八瀧心中未遂

赤目四十八瀧心中未遂赤目四十八瀧心中未遂
2003年/日本/159分
監督:荒戸源次郎
原作:車屋長吉
出演:寺島しのぶ、大西滝次郎、大楠道代、新井浩文、大森南朋、内田裕也、他
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先日「赤目四十八瀧心中未遂」という映画を観ました。たぶん僕の中では今年のNo1になりそう。
映画の持つ独特のリズムが自分好み。

「このシーン20分くらい前に観た気がする」というような感じの「精神のロードムービー」といったところか。
あと「陽炎座」の「ちぎりこんにゃく」のような扱いで「モツの串刺し」が行われていて「今度はモツか」と好印象。

鈴木清順の大正ロマン三部作で製作だった荒戸源次郎さんが監督で寺島しのぶが日本アカデミーで主演女優賞を獲った、妖気あふれる日本映画です。

原作は車屋長吉で直木賞を受賞したよう。

2004年05月26日

ドッペルゲンガー

ドッペルゲンガードッペルゲンガー
2002年/日本/107分
監督・脚本:黒沢清
出演:役所広司、永作博美、ユースケ・サンタマリア、ダンカン、戸田昌宏、佐藤仁美、柄本明、他
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早崎とドッペルの会話、
「お前は俺、俺はお前」
「お前はそんなこともわからないのか?」

という台詞なんかは観ている者に「どっちが本物?」という問いに疑問を投げかけてる気がする。
もちろん答えはないんだけど、自分的にはその混乱が気持ち良く感じる。

あと、ちょっと無理があるけど、自分の好きな「マルホランドドライブ」や「ツィゴイネルワイゼン」などにもみられる、ある部分での解釈不能性があるように思う。心地よい不可解があるというか。。曖昧さを肯定しているというか。。

黒沢作品はいつも後半「自分が今何を観ているんだかわからないんだけど、気持ち良く観れてしまう感じがあって、今回も堪能。

ささいなところでもふきだしながら観てしまった。永作博美の「どうでもよくなってきた」というセリフあたりからユースケとのからみなど、展開が面白い。

でも、今回はかなり図式的な感じは気になった。黒澤清作品はいつも「流れるよう」な作風ではないけれど、パズル的というか、血がこもってないというか。土くさい、というより、宇宙人的な印象。

2004年05月29日

折り梅

折り梅折り梅
2001年/日本/111分
製作・監督:松井久子
音楽:川崎真弘
出演:原田美枝子、吉行和子、トミーズ雅、金井克子、岡本麗、中島ひろ子、加藤登紀子、他
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TVで映画『折り梅』(松井久子監督・脚本・製作)を観ていたのだけど、最近、漫画映画やアニメばかり観ていたせいか、感動してしまった。

個人的には、もっと長回しを多用してくれたらよかったな、とは思うのだけど、ストーリーの展開上難しかったのかな。吉行和子と原田美枝子がとてもよかった。


2004年07月25日

ラブドガン

ラブドガンラブドガン
2004年/日本/111分
監督・脚本:渡辺謙作
出演:永瀬正敏、宮崎あおい、新井浩文、岸部一徳、野村宏伸、荒戸源治郎、他
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今日「ラブドガン」(渡辺謙作監督「プープーの物語」(上原さくら、松尾れい子主演)たしか、永瀬正敏、宮崎あおい「ユリイカ」「月光の囁き」「害虫」主演)をテアトル新宿で観てきました。

テイストとしては、この前話題になった「赤目四十八瀧心中未遂」の荒戸源治郎さん(彼も役者の一人として出演していた)、鈴木清順監督(渡辺監督の師匠筋?)の雰囲気で、意味不明というか、解釈不能というか、見終わったあとあまり語りを必要としない感じの映画でしたが、自分的にはかなりストライクゾーンで堪能してしまいました。

地味なファンタジーとでもいうべきか。とりあえず、宮崎あおい、と岸部一徳は光っていました。人に勧めづらいのが残念なところなのですが。。


2004年12月07日

H story

H storyH STORY
2001年/日本/111分
監督:諏訪敦彦
撮影・出演:キャロリーヌ・シャンプチエ
音楽:鈴木治行
出演:ベアトリス・ダル、町田康、馬野裕朗、他
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「H story」は「Mother」や「デュオ」を撮った広島出身の諏訪敦彦監督の作品。

今回の作品は、フランスの監督で「去年マリエンバートで」や「Hiroshima mon amour」などを撮ったアラン・レネの「Hiroshima mon amour」をリメイクしようとする、ということ自体が内容のドキュメント的な映画。

役者にはジャン・ジャック・ベネックスの「ベティー・ブルー」に出演していたベアトリス・ダル、や、町田康、などが出演。

かなり変わった作品でしたが、現場のやりとりなど、どこまでほんとかわからないところにニヤニヤしながら観てしまった。

それこそ視点(カンヌの「ある視点」か何かの部門受賞していたはず)、主題?、がかなり変わっているのでいわゆる他の映画と比べられないのが歯がゆい感じではあるのだが、ベアトリスには思った以上に引き込まれてしまった。

それほど好きな女優ではなかったはずなんだけど、ああいう人が目の前にいたら嫌なんだけど、町田康と絡んでいたからか、初めて観たときよりかなり歳をとっていたからか、アンニュイだったからか、勝手にすごく親近感を感じてしまった。

ベッドシーン、というか話し相手がとても近くにいる状態でのセリフ?のやりとりが多く、そのためかアップも多く、近くにいる感じがしたのだろうか。自分ももちろんそうなのでけれど、人は歳をとる、ことを再認識。

やっぱり彼女は「ベティー・ブルー」の破天荒な印象がとても強いので予想できない行動をとりそうでそわそわしてついじっくり追ってしまった。

それにしても、映像作品で何をどのように観せるのか、という問題意識の珍しい作品でした。笑うところないし、ストーリーも破綻してるし、役者の数少ないし、暗いし、それほど真面目でもないし、ここまでネガティブなキャッチがポンポンでてくる映画はとても少なく、とても人に勧められないのが残念なのですが、僕が撮る人だからだと思いますが、自分がその場にいるように感じる数少ない映画で、彼の映画はそういう作品が多いです。

それにしても、問題意識の珍しい作品だ。自分もあやかりたいものです。

2004年12月28日

アイデン&ティティ

アイデン&ティティアイデン&ティティ
2003年/日本/118分
監督:田口トモロヲ、原作:みうらじゅん
脚本:宮藤官九郎、音楽:大友良英 ・遠藤賢司
出演:峯田和伸、麻生久美子、中村獅童、大森南朋、マギー、コタニキンヤ、岸部四郎、他
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あの田口トモロヲが監督!原作は三浦じゅん!というところにガッシリくいついて映画館で鑑賞。封切りになってしばらくたっていたが、それなりに混んでいた。シネセゾン渋谷で上映しているのを観たけれど、内容とお客さんは「中央線」な感じがして、ちょっと好印象。

ストーリー的には自分の身の回りのバンドマンのことなどを思い浮かべたりできて、それほど遠い内容の話ではようにも感じた。撮り方はオーソドックスな印象。俳優として数え切れない程多くの現場を経験している田口トモロヲ監督ならでは、ということかもしれない。

青春の切なさが心にしみる1本。

2004年12月30日

阿修羅のごとく

阿修羅のごとく阿修羅のごとく
2003年/日本/135分
監督:森田芳光、原作:向田邦子
脚本:筒井ともみ、撮影:北信康
出演:大竹しのぶ、黒木瞳、深津絵里、深田恭子、小林薫、八千草薫、他
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向田作品はそれほど読んだことはありませんが、安心して観ていられる映画。

家族がテーマなので、この時期居間などでみんなで楽しめるもののようにも思う。フランソワ・ オゾンの「8人の女たち」もそうでしたが、有名女優が一つのフレームにたくさん入っていると画に迫力がる。現場の監督は主役級の女優ばかりがいると気遣いが大変だとも思いますが。笑

家族を扱った作品での「面白さ」ならば森田監督の「家族ゲーム」が衝撃的でした。

「変わった映画」ならば黒沢清監督の「ニンゲン合格」が印象的。「山田洋次もの」に、いまいちぐっとこない私は、つい変な、というかわかりにくい家族ものを好んでしまいます。

2005年02月11日

珈琲時光

珈琲時光珈琲時光
2003年/日本/108分
監督・脚本:侯孝賢
撮影:李屏賓
衣装:星野和美、山田洋次
出演:一青窈、浅野忠信、萩原聖人、余貴美子、小林稔侍、蓮實重彦、他
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監督は世界の巨匠、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)。主演は一青窈さん。浅野忠信さんや萩原聖人さん、小林侍さん、余貴美子さんなど確かな演技力を持った面々が脇を固める。この作品は「小津安二郎生誕100周年」を記念して製作された。

映画のリズムは溝口健二監督ばりの長回しで、良くも悪くも気持ちよくなって眠りに落ちてしまうくらい淡々ていたが、一青窈の透明感のある存在がフィルムに馴染んでいたのが印象的。

本編に度々登場する「電車」とそこでの「録音」についてはあまりピンとはこなかったけれど、べたといえばべたですが、「肉じゃが」ひとつにこれだけのエレジーを込められるのはさすがです。

2005年02月20日

ゼブラーマン

ゼブラーマンゼブラーマン
2003年/日本/115分
監督:三池崇史
脚本:宮藤官九郎、撮影:田中一成
出演:哀川翔、鈴木京香、渡部篤郎、大杉漣 、岩松了、他
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「ゼブラーマン」観てしまった。
エンタテイメント性の強い作品だけど、三池監督は好きな監督の1人で、新作がでると必ず観てしまう。2度観ることはあまりないのだが。

映像のインパクトはさることながら、哀川翔、渡部篤郎、鈴木京香、大杉連、など役者陣も魅力的。宮藤官九郎は好きになれない脚本家だけど、観ていて飽きさせないユーモアはやはり凄いのだろう。。

主役100本目の哀川翔は後半ほとんど着ぐるみを着ていて、顔が出ていなかったことにはつい面白くなってしまった。

2005年02月21日

トニー滝谷

トニー滝谷トニー滝谷
2004年/日本/75分
監督・脚本:市川準、原作:村上春樹
撮影:広川泰士、音楽:坂本龍一
出演:イッセー尾形、宮沢りえ、西島秀俊、他
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画面がとてもよく作られた映画のように思いました。さすがCM界の巨匠、市川準です。映画ばかり作ったら「凄い作品」も撮りそうな気もしますが、この作品はシンプル=ストイック=非エンタテイメント=作家性?=自主っぽい=好きな人は好き、という感じだろうか。

宮沢りえは期待通りよかったが、イッセー尾形は思ったよりカッコよかったです。

よくを言えば、原作は忘れてしまったけれど、観ていて迫ってくるモノが何かあればより映画として完成度が上がるとは思うが、きっと原作に忠実、とかなんだろうとは思う。

映っている現象と観ていて感じるものに距離感を感じた。でも、それは、きっとよく作ってあるということで、クールということでもあるように思う。

地味な映画ですが、映像のレトリック的なものなど見所は多く鑑賞後の満足度は高いです。

西島秀俊さんの語りもいい感じで存在感をだしていて好印象でした。彼は小規模映画出身ながら、順調に大きな役者さんになっているように感じます。

2005年04月28日

変態家族・兄貴の嫁さん

変態家族 兄貴の嫁さん変態家族 兄貴の嫁さん
1984年/日本/62分
監督・脚本:周防正之
出演:風かおる、山地美貴、麻生うさぎ、大杉漣、他
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最近、ハリウッドでのリメイク作も日本で公開されている、周防正行監督の初期のポルノ作品。DVDに付属のインタビューを見ると低予算、撮影期間は5日間だったよう。とてもタイトな現場だったことが伺えますが、低予算映画はそんなものなのかもしあれません。

小津監督の「東京物語」も模して、「もし原節子が嫁いだ先が変態家族だったら」という設定で作られたこの作品、見所はたくさんあるのですが、「小津監督に重なりたい」という周防監督の想いが全面に現れている。

その時の状況を語る周防監督の表情も生き生きとしていてとても好感のもてるものだった。語っている口もとから悦びがこぼれだしそうだった。これだけの想いがあれば細かいことをあれこれ言うよりさしだされたものを素直に受け入れたくなるし、作品自体にもそれが現れていた。

周防監督はその後「ファンシーダンス」「しこふんじゃった」「Shall we ダンス?」などのエンタテイメント性のある映画を撮ることになりますが、その兆しを感じます。

笠智衆役を若かりし大杉連が演じていたのも新鮮。たしかこのころはまだ30歳くらいだったはず。よい意味でやりたいこと自体を客に媚びない自主映画的な奔放さが感じられてすがすがしい。ポルノ作品なのに。

2005年05月10日

この世の外へ クラブ進駐軍

この世の外へ クラブ進駐軍この世の外へ クラブ進駐軍
2003年/日本/123分
監督・脚本:阪本順治
撮影:笠松則通
出演:萩原聖人、オダギリジョー、松岡俊介、MITCH、村上淳、他
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いつものように役者への「抑えた演出」がひかる映画。阪本順治監督は「911」事件をきっかけに脚本を執筆したよう。

公開当時は「オダギリ・ジョー」の出演や「ジャズ」の演奏シーンなどが話題になりましたが、観終えるとふと「戦場のメリークリスマス」なんかを思い出しそうになりました。ちがうのだけれど。

群像劇として役者陣が魅力的に描かれていたのが印象的。「顔」のインパクトにはかなわないかもしれないけれど、そこらへんはジャンルが違う、ということで。

2005年07月10日

恋の門

恋の門恋の門
2004年/日本/114分
監督・脚本:松尾スズキ
原作:羽生生純、撮影:福本淳
出演:松田龍平、酒井若菜、松尾スズキ、小島聖、塚本晋也、小日向文世、大竹まこと、田辺誠一、片桐はいり、市川染五郎、忌野清志郎、他
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大人計画の松尾スズキ氏の初監督作品。

のっけからとても「演劇的」な映画だった。何がそう感じさせるのかを観ながら考えてしまったが、その原因は「セリフまわし」もそうだけど「カット割り」と「空間の見せ方」にあるように思う。なんか映画っぽくない。それとも演劇的=松尾スズキ的ということか。。

それとこの映画、役者の使い方がとても贅沢。

内容、というかプロットの伏線だけに頼るのではなく、その筋で知名度のある役者さんを多数、というかキャラクターとして登場している人は全て名のある役者さんだったような気がする。コスプレ、同人誌、漫画芸術家?などある意味マイナーでディープな人々を描いているが、こういう役柄をメジャー感のある役者さんがやると絵になりやすいように思う。重さが半減されるのだろうか。

また、役者にとどまらずアニメ、漫画も庵野夫妻らによるオリジナルだったりしたところがこの映画の全体のクオリティーを上げている。

松田龍平さんは両親の顔が浮かびます。「陽炎座」と「エレファントソング」を足して2で割ったような。

2005年07月22日

夢の中へ

夢の中へ

夢の中へ
2005年/日本/103分
監督・脚本:園子温
出演:田中哲也、夏生ゆうな、村上淳、オダギリジョー、市川実和子、岩松了、麿赤兒、温水洋一、手塚とおる、小嶺麗奈、臼田あさ美、菜葉菜、他


まず、役者陣が豪華な映画でした。

園監督とは本人はまったく覚えていないと思いますが、10年程前に当時僕が通っていた大学の映画サークルのイベント絡みで一緒に旗に詩を書いた記憶があります。

たしかランボーを引用したことも今思い出しました。その頃から、園監督作品はほとんど全部観ているのですが、前作の『自殺サークル』と比べると初期の作品の印象に近いように思います。

DV作品ですが、撮る側の人間として「フィルムだったらなぁ」と思う気持ちも正直あります。もったいないように思います。

あと、レイトロードショーだったので、もっと「いやらしい」映画を期待していたのですが、想像以上に「真面目」というか「真摯」な後味の残る作品でした。

プロットの展開は漫画家の山野一氏の「パンゲア」におさめられている「ラヤニール」のように「どこかで観たような感じ」だと思いますが、台詞から見ている側の意識までこぼれてくる言葉は全体を通じて一つの線になっており、脚本の完成度の高さが伺えます。

それと演出。あの台詞まわしで長回ししたということは相当リテイクがあったか、役者が優秀だったか、だと思いますが、そんなところからも、「フィルムだったら・・・」と思う気持ちを思い出します。

自然光の美しさはフィルムの得意とするところだし、最終的に映画館で上映するためにキネコするのであれば素材は是非16ミリでもフィルムでお願いしたかったです。

なんだかんだ言っても観終えていい気持ちになってしまったし、いろんな部分で完成度が高かった作品でした。


「夢の中へ」公式サイト
http://yumenonaka.netcinema.tv/

2005年07月29日

メノット

メノット 遺言覗かれた別荘メノット 遺言覗かれた別荘
2005年/日本/104分/R-15
監督・脚本:及川中
脚本:甲谷利恵
出演:国分佐智子、藤本綾、金子昇、阿部進之介、魚谷輝明、甲本雅裕、他
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たしか数年前だけど警察沙汰の事件を起こしていたはずの及川監督の最新作ということで劇場まで足を運ぶ。タイトルはわからないけど友達が及川監督の作品に出演したことがあるようで気になる監督の一人だった。

15禁のレイトショーなのでもっといやらしいシーンが多いかと思ったのですが「さりげない感じ」でこれで「映倫」にひっかかってしまうのはシビアな現実ですな。この作品にはないですが、そもそも作品に「ぼかし」入れるような日本映画? 映倫? の現実が未だに理解できない。普通に考えたらあり得ないことだと思うのですが。

さて本編ですが、登場人物のキャラクター設定が現実以上にハッキリ分かれていたところが気になった。そういう演出なんだろうけど所謂「演劇的」な感じがして「映画的」なリアリティーは感じられない。

こういう脚本は基本的にファンタジーではないのである程度「実話に即した」とか「現実にあり得るような」感じが必要になると思うますが、そこからの方向性が「即興」など「役者の地の部分」を活かす、というよりは、一つの「その映画の中での現実」を設定し、結果的に脚本を忠実に再現する、という方法がとられたように思う。

特に前半はしっくりこなかったのですが、後半はプロット内での不確定な要素が収斂してテンポアップしていてよかった。

出演の金子昇さんや藤本綾さんは以前テレビで見たことがあったように思うのですが、これからは映画にどんどん出演して欲しいです。出演数が増えれば事前情報としての「存在感」が増す、ということもあると思うのです。

あと藤本綾さんのヌード、綺麗でした。「脱ぐイメージ」の無い人が脱ぐとひとまずグッときてしまいます。

2005年08月28日

家族ゲーム

家族ゲーム家族ゲーム
1983年/日本/106分
監督・脚本:森田芳光
原作:本間洋平
出演:松田優作、伊丹十三、由紀さおり、宮川一朗太、辻田順一、他
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懐かしさが込み上げる作品。10年程前にビデオで鑑賞して以来となる。

ふと、この10年で松田優作や伊丹十三が亡くなったことを実感した。松田優作の出演作品は「陽炎座」「それから」とこの「家族ゲーム」が僕的には印象深いが、多くの人にとっては「死亡遊戯」「さまよえる金狼」「探偵物語」などが馴染みがあるようで、話をする度にすれ違うことがある。自分が異色作が好きなだけなのかもしれませんが…。

上記の2人に加え、由紀さおり、宮川一朗太、清水健太郎、など、バジェットはとても小さな映画のはずですが、出演者はビックな顔ぶれがそろった偉大な作品。

作中の中では、「カット割り」や「音楽を一切使用しない」、「4人家族が横一列で並んで食事をする」、など、様々な作為に満ちた演出が試みられていて、映画好きとしては「目がくぎ付け」になる。

この前観たときもそうでしたが、森田芳光監督の偉大さにあっぱれです。自主映画出身で野心溢れる作品ばかりではなく、興行的に成功している作品をバランスよく撮り続けている監督は日本に5人といないのではないだろうか? 尊敬してやまない監督の一人です。

2005年09月10日

インストール

インストールインストール
2004年/日本/94分
監督:片岡K
原作:綿矢りさ
出演:上戸彩、中村七之助、神木隆之介、菊川怜、小島聖、田中好子、他
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たしか、今年の正月に池袋でロードショーしていて、綿谷りささんの本の映画化ということで、村上龍氏が審査委員長の時の芥川賞受賞作「蹴りたい背中」などでも気になっていた作家だったので「ぜひ劇場に足を運ぼう」と思っていたが、予告編の「コケティッシュな感じ」にすっかり足が動かなくなってしまい、観れるまで早9ヶ月がたってしまった。

結果的には、自分にとっては原作を読みたくならなかったのは残念だった。原作ものの(オリジナル脚本じゃない)映画で出来がいいものはつい原作に手がのびてしまうことが多い。

広い気持ちを持って、良いところをひろっていけばそれなりにはたくさん見つかるのだろうけど、根本的に演出が中途半端だった感は否めないと思う。

作品を観始めて5分くらいで終わりまで自分の想像を超えるようなことが起こらないだろう、という確信がもててしまうのは、脚本以上に作品にたいする演出家の手腕によるものが大きいと思う。

演出家のその作品に対する情熱というか想いが小さくまとまってしまったまま、スタッフ、役者に誤解なく伝わっている、という感じだろうか?

用は「もったいない」感がとてもしてしまう映画でした。本とか美術とかスタッフとか役者とか、話題性のある人たちが集まって作った割には「普通の作品ができた」という気がします。

上戸彩さん、今後、どんな女優になっていくのか、とか、小島聖さんってきっとじかに本人と話したら自分をもっていかれてしまいそうだな、とか、田中美子さんの存在感って自分好みだな、などいろいろ感じました。

でも変に期待しないで観れば、この作品を楽しめるようにも思う。

2005年09月11日

幸福の鐘

幸福の鐘幸福の鐘
2002年/日本/87分
監督・脚本:SABU
出演:寺島進、西田尚美、篠原涼子、益岡徹、塩見三省、鈴木清順、板尾創路、白川和子、手塚とおる、滝沢涼子、田山涼成、他
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数年前、大学時代のサークルの先輩のつてで、プロの撮影現場を見たくてエキストラに行った作品。

SABU監督は、今まで、「弾丸ランナー」「ポストマン・ブルース」「アンラッキー・モンキー」「DORIVE」と、作家性を出しつつエンタテイメント性も併せもった、数少ない映画監督だと思っていたのですが、今回は「弾丸ランナー」の時はひたすら走っていましたが、それが良いかどうかわからないけれど、今回も一つのことを追求していた。

たしか、ベネチア映画祭に出品していましたが「こういう作風の映画は映画祭で賞を受賞しないと興行的に厳しいだろう。」と思いながら現場に参加していたことを思い出した。

結果的には受賞は逃しましたが、その当時は北野武監督の「花火」がベネチアで金獅子賞を受賞したりと世界的に「日本映画」が流行っている感があったので、ひょっとすると受賞もあるかな、と期待もしていたのですが。

映画は出てくる役者がみな素晴らしいので安心して観ていられる感の高い映画でした。この脚本を自主映画でやっても「観続けるのはキビシイ」感じになると思う。

そんな地味な演出・脚本は自分好みで、低予算でもある意味ゴージャスだと思うのですが、もう一歩テーマを掘り下げる、というか、スケールを大きくできたら、感動できる人が増える作品=作品のメッセージに普遍性が出るのではないかと思ってします。

2005年09月13日

ニンゲン合格

ニンゲン合格ニンゲン合格
1998年/日本/109分
監督・脚本:黒沢清
撮影:林淳一郎、音楽:ゲイリー芦屋
主題歌:洞口依子
出演:西島秀俊、役所広司、菅田俊、リリィ、麻生久美子、大杉漣、哀川翔、戸田昌宏、他
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初めて観たのはたしか1998年の東京国際映画祭だったように思う。それ以来折に触れて観てしまう作品。

公開当初、黒沢清監督の「家族モノ」ということで漠然と期待していたが、良い方向に裏切られてしまった。

最近、CMなどでもよく見かける西島秀俊さんが主役ですが、特に印象的なのは彼がソープランドに連れていかれるシーンや、後半の父親がテレビのニュース映像に現れるところは特に驚く、というか笑ってしまった。

映画好きでも(だと?)観ていて心地よい笑いを触発される映画はとても少ないので、私にとってとても貴重な監督の作品の一つ。

もちろん、西島秀俊さんと麻生久美子さんの絡みのシーンなどもとても印象深い。

阪本順治監督などと違って、北野武監督のようにシラけた感じの演出が冴える黒沢清監督ですが、目の前の映像に土は映っていても土の匂いを感じさせない。

でも、人間的な「やるせなさ」のようなものはしっぽりと伝わるこの作品は、私にとってとてもとらえどころがない魅力に溢れた1本。

2005年09月28日

クロエ

クロエ クロエ
Chloe
2001年/日本 /128分
監督・脚本:利重剛、原作:ボリス・ヴィアン
撮影:篠田昇、編集:掛須秀一
出演:永瀬正敏、ともさかりえ、塚本晋也、松田美由紀、鈴木卓爾、青山真治、西島秀俊、他
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ボリス・ビアンの「うたかたの日々」が原案。「エレファントソング」の利重剛監督の「映画への愛」に満ちた作品。

原案が原案だけにストーリー展開は観始めて30分でラストが読めるのですが、それとは別に、ライティングや演出、場面設定など「お金をかけずに手間かける」というか、映画愛に裏打ちされた様々なアイデアが散りばめられており、それを感じれる者は、それだけでいい気持ちになれる「映画的な映画」。

塚本晋也監督のキャラクターやセリフは「心に響く」と同時に「どこかユーモラス」に感じられる。青山真治監督の「キタノ役」やもキャラクター設定などが面白い。「医者役」に西島秀俊さんが現れたときも少しびっくりしました。

ところで青山真治監督の「ユリイカ」には利重剛監督が出演していますが、「クロエ」の青山監督よりも「ユリイカ」の利重監督の方が存在感があるように思うのは私だけだろうか? どっちの監督が使い方うまいのか、役者としての力量があるのかはわかりませんが。(笑)

そう、こうゆう派手さはないがある部分をちゃんと描いている映画って案外少ないように思います。

興行成績などにばかり気をとられていると、いい映画は作られにくくなることを再認識。「クロエ」が興行的に駄目だったわけではありません。

2005年10月25日

すべては夜から生まれる

すべては夜から生まれるすべては夜から生まれる
2002年/日本/79分
監督:甲斐田祐輔
脚本:木田真
出演:西島秀俊、甲田益也子、水沢螢、川口潤、青崎寿幸、他
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実験色のある夜のロードムービー。とりあえず4:3の画面にびっくり。最近の映画ではあまりないように思う。何かの都合がそうなっているのかもしれません。

控えめかもしれませんが、西島秀俊さんの役者魂が現れている作品だったと思う。彼は作品の規模に関わらず、脚本などで出演作を選んでいるようで、そういった価値観を持っている役者は監督心をくすぐります。

全体的に抑えた演出ですが、全編を通して統一感があり、この映画のリズムを生んでいる。

ただ、「映画」なので、目に見えるアクションとしての「動き」、あるいは感情の「動き」などを描写し続けるほうが見る者は「何を見ているのか」を見失わずにすむと思う。

現状のスタイルが多分演出の結果なのでそれはそれで良いとは思うのですが。

とりあえずこういう規模のある意味、野心溢れる作品は、作風の好みに関わらずたくさん観ていきたいものです。

ちなみに甲田益也子さんは元ananの専属モデルだったんですね。どこかで観たことがあると思っていたのですが。手塚眞監督の「白痴」で主役を演じています。

2005年10月28日

アカルイミライ

アカルイミライアカルイミライ
2002年/日本/115分
監督・脚本:黒沢清
出演:オダギリジョー、浅野忠信、藤竜也、りょう、笹野高史、白石マル美、他
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友人から「今度黒沢清が『クラゲ』がたくさん出る映画を作っていて、エキストラ探しているよ」と言われ、2つ返事で参加してしまった作品。

黒沢清の演出が間近かで見られたのは新鮮でした。画を観ての通り、淡々とした演出っぷりでした。「監督もう帰っちゃったよ!」と慌てふためいている助監督の台詞が印象的でした。

さて、本編ですが、これほど様々な視点から鑑賞できる作品は少ないのではないでしょうか?

「文部省認定」的にも観れるし「ゲイ」もののようでもありますし、前提としがちな「倫理観」に対して疑問を投げかけている、ようにも観れます。

DVD巻末のインタビューにもあったように、黒沢監督自体も「これがアカルイミライ」だというものを表現しているわけではなく、観る者に委ねられている部分が多いのが、その要因のような気がします。

劇場では、当時「売出中」だった、オダギリ・ジョーさん目当ての、若い女の子が目立ちましたが、少なからず、藤竜也さんのファンも後ろの方とかにいたはずです。

僕個人は藤竜也さんの演技が観れてとても満足でした。「黒沢監督の演出と藤竜也さんの演技」がスクリーン上でどう現れるのか楽しみにしていましたが、とても満足のいくものでした。一筋縄ではいかない映画です。

2005年11月08日

TAMPEN 短篇

TAMPEN 短篇TAMPEN 短編
2001年/日本/65分
製作:磯見俊裕
撮影:猪本雅三、佐藤譲、田村正毅、山崎裕
出演:渡辺真起子、永瀬正敏、柳愛里、青山真治、他
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演出家(監督)をたてない手法で製作された変わった作品。

細かい演技指導をしないという点では阪本順次監督などとは正反対の出来上がりになるかと思う。そればかりか、黒沢清監督や北野武監督らのような「過剰な演技をそぎ落としたタイトな」演出すらない。

どちらかといえば、諏訪敦彦監督の「Mother」などと同じ方向性をもった作品のように思いますが、「Mother」のような長編ではなく20分程の短編のオムニバス形式なので、また違った切れ味、味わいがあるように思う。

女優の渡辺真紀子さんの魅力溢れる作品である、と同時に、役者として出演している、青山真治監督の意味深な台詞も心にひっかかる。

2006年01月10日

CASSHERN

CASSHERNCASSHERN
2004年/日本/141分
監督・撮影・脚本:紀里谷和明
出演:伊勢谷友介、麻生久美子、唐沢寿明、寺尾聰、樋口可南子、小日向文世、宮迫博之、佐田真由美、要潤、西島秀俊、大滝秀治、他
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70年代の「新造人間キャシャーン」は知りませんが、とりあえず映像が凄かった。初監督の紀里谷和明氏は撮影監督も兼任していたようですが、「実写とCGの融合」と言ってしまえば簡単ですが「おおっ」と思うような映像を作るのはとても困難だと思う。

特にアニメで最近よく行われているけれど悪い意味で「なんか不自然」な感じは否めない。その点この映画は僕が今まで観た合成映像の中で一番の出来だと思う。数カット「えー」と思ってしまう部分はありましたが。

ただ、「もったいない」と思ったのはそのテーマと内容。原作に忠実かどうかはわかりませんが、生命の倫理を描くならば、脚本にそれをちゃんと組み込まないと、観客に対してイマイチ訴求力に欠ける感があるように思う。

「教授が新造細胞の理論を完成させた」というだけでは薄いと感じてしまう。もう少しそれにまつわるテーマを掘り下げないと、「ある倫理を問う映画」にはならない。

あるいは、それはそれとして、原作を忠実に再現するのであれば、題名だけでお客さんを呼べるくらいの作品でないと、「エンタテイメント映画」として存在しにくいと思う。「映像が凄い」だけでは製作費をとりかえすことは難しいのではないだろうか。恐らく出演者やCG等にお金はとてもかかっているように思うし。

なんか「もったいない感」はありますが、今まで観たことのない映像は体験できるし、出てくる出演者が魅力のないアイドルなどではなく演技のできる役者さんばかりなので、とてもゴージャスな気持ちになれる一本です。

2006年01月16日

東京ゾンビ

東京ゾンビ東京ゾンビ
2005年/日本/103分
監督・脚本:佐藤佐吉
原作:花くまゆうさく、 撮影:石井勲
出演:浅野忠信、哀川翔、奥田恵梨華、松岡日菜、古田新太、中村靖日、高樹マリア、谷村美月、楳図かずお、他
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ようやく昨日渋谷、シネセゾンで鑑賞しました。お客の入りは日曜の16:45~の回で1/3程、70人強。

浅野忠信+哀川翔、が主演で話題の漫画が原作のゾンビコメディ。

節々思わず吹き出してしまうカットはあったが、なんとなく見終えた後の満足度は低い映画だった。原作に対する思い入れや漫画を読む感覚で映画を観たら面白いのかもしれないが、映画的な映画、を求めて観ると物足りなさを感じた。

といっても、やはり、浅野・哀川両氏の演技は素晴らしく安心して観ていられた。フジオの妻役の奥田恵梨華さんは芝居は未知数ですが、時々ドキリとする色っぽさを感じてしまいました。コカコーラ「FRESS」などのCMに出演している方なのですね。

原作